石炭鉱区のデューデリジェンス
炭鉱の権益を買う前に確認する点:許可の記録、年間の生産枠、埋蔵量、剥土比、輸送、土地、森林区域の状況、会社の債務。
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カリマンタンの石炭取引の多くは、生産許可を持つ会社の株式を買う形になります。買い手が対価を払うのは、決まった期間に鉱床を採掘する権利です。その採掘は、所管省庁が毎年承認する生産枠のもとで行い、土地は、その保有者から会社があらためて確保しなければなりません。
データルームで分かるのは、その一部です。残りは、所管省庁の記録、採掘現場(ピット)、運搬道路、周辺の村々で確かめることになります。会社そのものを買うので、国や近隣の人々に対する会社の債務も、株式とともに引き継ぎます。
まず許可の記録を確認する
2025年11月、エネルギー・鉱物資源省は、石炭の鉱業事業許可(IUP)を871件と集計しました。うち854件は生産段階にあります。これとは別に、石炭事業契約(PKP2B)が59件残っています。IUPの多くは、もともと県の首長が発行したものです。県の首長は2010年代半ばまで鉱業許可の大半を出しており、今日の重複区域の多くも、その時期にさかのぼります。
許可は、売り手から渡された写しではなく、同省自身の記録で確認します。見るのは、番号、保有者、鉱種、段階、有効期限、区域の座標です。これらの記録は、同省のMinerbaOneシステムへ移行中で、MinerbaOneは2025年から従来のMODIポータルに代わり始めました。ほかの許可が区域と重なっていないことも確認してください。2025年法律第2号により、政府は、2025年3月19日より前に発行された重複許可を取り消せるからです。株主の変更には大臣の承認が必要です。そのため、この承認を取引完了の条件にします。許可の種類と条件は、インドネシアの鉱業許可で説明しています。
作業計画と生産枠
生産許可があっても、会社が好きなだけ掘れるわけではありません。2026年からは、作業計画・予算(Rencana Kerja dan Anggaran Biaya、RKAB)が、2025年エネルギー・鉱物資源大臣規則第17号に基づいて、再び1年ごとに承認されます。承認された数量が、生産と販売の上限になります。
2026年について、エネルギー・鉱物資源省は全国で約6億トンの計画を定めました。2025年の生産量は7億9000万トンでした。IUP保有者の多くは、大幅な削減を受けました。承認は遅れました。2026年3月31日までは、承認を待つ間、計画生産量の25%まで生産できました。同省はまた、RKABを承認する前に、復旧義務を果たすことを求めました。
会社の価値は、売り手の採掘計画ではなく、承認されたRKABに基づいて見積もります。ここ数年の承認書と、それぞれに対する実際の生産量を求めてください。削減や承認の遅れが続いている場合は、たいてい理由があり、その理由を把握しておく必要があります。国内市場義務の履行実績も確認します。不足があると、輸出禁止や補償金の支払いにつながることがあるためです。
埋蔵量、剥土比、輸送
資源量や埋蔵量の数字は、インドネシアのKCMIコードまたはオーストラリアのJORCコードに沿い、コンピテント・パーソン(資格を持つ専門家)が署名した報告書がなければ、ほとんど意味がありません。KCMI・JORC報告書の読み方で、見るべき点を説明しています。同じコードは石炭にも当てはまります。
その埋蔵量が採掘に値するかどうかは、次の3点で決まります。1つ目は剥土比(ストリッピングレシオ)です。石炭1トンあたりに動かすオーバーバーデン(炭層の上にある土と岩)の量で、バンク立方メートルで測ります。請負会社への支払いは、動かした土の1立方メートルあたりで決まるのが普通なので、剥土比はトンあたりコストの最大の要因になることがよくあります。採掘計画の剥土比を、ピットが近年実際に記録した値と比べてください。計画が、これまでピットで動かしてきた量より少ないオーバーバーデンを見込んでいるなら、その理由を尋ねます。
2つ目は品質です。発熱量、水分、灰分、硫黄分が価格を決め、誰が買うかも左右します。報告書にある分析結果を、実際の出荷についての検査機関(サーベイヤー)の証明書と照らし合わせてください。
3つ目は距離です。石炭が道路で桟橋まで、そこからバージ船で積み出し地点まで、どれだけの距離を運ばれるかを見ます。運搬道路と桟橋を誰が所有し、その許可が整っているかも、距離と同じくらい重要です。カリマンタンの石炭物流では、道路、河川、ターミナルを取り上げています。
土地、森林、近隣住民
鉱業許可に土地は含まれません。生産を始める前に、許可の保有者は、その土地に権利を持つ人々と合意し、補償を済ませなければなりません。カリマンタンでは、事業権(Hak Guna Usaha、HGU)を持つアブラヤシ農園、土地の書類を持つ小規模農家、慣習的な権利を主張する地域社会が、その相手になることがよくあります。取得または補償が済んだ区画の地図、支払い済みの金額、まだ決着していない区画を示すよう求めてください。ピットが次に向かう先の境界は、実際に歩いて確かめます。
森林区域の状況も確認します。許可区域が指定された森林区域の中にある場合、採掘には林業省の森林区域使用承認(Persetujuan Penggunaan Kawasan Hutan、PPKH)が必要です。承認された範囲は、採掘計画にあるピット、廃土置き場、運搬道路をすべて含んでいなければなりません。その外で作業すれば、鉱業許可の内容にかかわらず、林業法に違反します。環境承認も、計画する生産量に見合ったものでなければなりません。
会社が負っている債務
株式を買う場合、会社の債務は会社に残ります。そのいくつかは国に対するものです。次の項目をそれぞれ確認してください。
- 復旧保証金と閉山後保証金。全額が差し入れられ、現在までに土地を改変した面積に見合っているかを見ます。2025年9月18日、エネルギー・鉱物資源省は復旧保証金を差し入れなかったとして、鉱業許可190件の効力を停止しました。うち90件は石炭です。2026年1月下旬までに停止が解除されたのは10件だけで、総局長は35件から45件が取り消される可能性があると述べました。保証金の仕組みは鉱山の復旧と閉山で説明しています。
- ロイヤルティと土地使用料。各年の販売量・出荷量と突き合わせます。後で見つかった未払い分は、売り手ではなく会社に請求されます。
- 税金。未完了の税務調査や、付加価値税(VAT)の還付請求も含みます。
- 採掘請負会社への未払い金と、請負会社が申し立てている請求。
- 民事・刑事の訴訟。土地をめぐる争いも含みます。
署名の前に
- 許可の詳細は、自分でエネルギー・鉱物資源省から取り寄せます。区域がそもそもどう付与されたかは、鉱業に詳しい弁護士に確認してもらいます。
- 自分で選んだコンピテント・パーソンに、埋蔵量報告書の確認とピットの視察を依頼します。
- 過去3年分について、3組の数字を突き合わせます。生産報告、出荷時の検査、ロイヤルティの支払いです。
- 石炭を川で運ぶ場合は乾季に現地を訪れ、運搬道路沿いの村長に会います。
- 未払いのロイヤルティ、保証金、土地をめぐる請求は表明保証でカバーし、決着するまで代金の一部を留保します。
一般的な情報であり、法務・税務・投資に関する助言ではありません。規則は変わるため、行動する前に現行の規制を公証人または弁護士にご確認ください。